キュウリの血と肉

モッス・カプロョモール・エニスポラ

松屋太郎

 
 むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
 おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました。
 おばあさんが川でせんたくをしていると、松屋エンタメセレクション!、松屋エンタメセレクション!と、キムたまラー油牛めし並が流れてきました。
「おや、これは良いおみやげになるわ」
 おばあさんはキムたまラー油牛めし並をひろいあげて、家に持ち帰りました。


 そして、おじいさんとおばあさんがキムたまラー油牛めし並を食べようとセパレート容器を開けてみると、なんと中から元気の良い味噌汁が飛び出してきました。
「これはきっと、神さまがくださったにちがいない」
 お持ち帰り弁当にはみそ汁は付きませんが、60円を追加してまで味噌汁を食べたいわけではなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
 キムたまラー油牛めし並から生まれた味噌汁を、おじいさんとおばあさんは松屋太郎と名付けました。

 松屋太郎はスクスク育って、やがて強いライス並になりました。

 そしてある日、松屋太郎が言いました。
「ぼく、すき家ラジオヶ島(すきや~れいでぃお~ぅがしま)へ行って、元気モリモリ高森浩二を退治します」
 おばあさんに食券機を作ってもらうと、すき家ラジオヶ島へ出かけました。

 旅の途中で、イヌに出会いました。
松屋太郎さん、どこへ行くのですか?」
すき家ラジオヶ島へ、元気モリモリ高森浩二退治に行くんだ」
「それでは、お腰に付けた食券機でポテト単品を買って下さいな。おともしますよ」
「ありがとうございました。食券 お釣りの取り忘れにご注意ください」
 電子マネーで購入した松屋太郎は「電子マネーQR決済の時はどうやったってお釣りの取り忘れようがないんだけどな…」とぼやきながらも、イヌをおともにしました。

 そして、こんどはウシに出会いました。
松屋太郎さん、どこへ行くのですか?」
すき家ラジオヶ島へ、元気モリモリ退治に行くんだ」
「それでは、キムカル丼の大盛を1つ、持ち帰りで下さいな。松弁ネットで予約してありますから」
「いやに用意がいいね」
 おともになった瞬間松屋太郎に解体されたウシは、松屋太郎と融合して牛焼肉と牛カルビの鉄板コンビセットになりました。

 そしてこんどは、キジに出会いました。
松屋太郎さん、どこへ行くのですか?」
すき家ラジオヶ島へ、高森浩二の正気を取り戻しに行くんだ」
「それでは、牛焼肉と牛カルビの鉄板コンビセットを下さいな。ライスはミニで」
 自分の体の大半とウシを犠牲に、キジもおともになりました。

 こうして、イヌ、キジ、松屋太郎からミニを除いた分―松屋太郎の約30.3%ですから、松尸とでも呼ぶことにしましょう―は、ついにすき家ラジオヶ島へやってきました。

 すき家ラジオヶ島では、元気モリモリ高森浩二たちが近くの村からぬすんだカレーやドレッシング、タレ類の調理・加工、精米等を行う嵐山工場やすし松をならべて、プルコギ定食盛りの真っ最中です。
「15時だ。みんな、ぬかるなよ。それ、松屋モバイルクーポン更新!(aww)」

 松尸は松屋公式キャラクター「マッキー&ヤッキー」のLINEクリエイターズスタンプをプレゼントし、イヌはすき家ラジオ宛のお便りを音声入力でしたため、キジは高森浩二に「お便りを紹介する度に『ぼくも、〇〇な時には牛丼を食べて元気を出しています!』と言わなくていいのだよ」と優しく宥めます。

 とうとう高森浩二が、
「2枚発券します!発券中です…」
と、手をついてあやまりました。

 松尸とイヌとキジは、高森浩二から取り上げた元気モリモリをくるまにつんで、すき家ラジオヶ島の山奥に捨てることにしました。

 おじいさんとおばあさんは狂気度の下がったすき家ラジオに(shiny)(shiny)(shiny)(shiny)(shiny)(shiny)と大喜び。
 そして三人は、ネギたっぷりネギ塩豚カルビ丼とキムカル丼をそれぞれ30円引き、40円引きにして7月4日(火)10時まで幸せに暮らしましたとさ。

おしまい