ニャッキのおうちとはらぺこあおむしのおうちの間に深い深い谷があり、彼らは狼煙以外でコミュニケーションを取ることが困難です。
狼煙は煙を出さなければなりませんから、火が必要です。2匹ともモニャモニャした虫ということは、もちろん手がありません。どうやって火をおこすのでしょうか。
ニャッキの形状を思い出してみてください。丸い頭部にロョ~ンとした体。なにかに似ていると思いませんか。そう、マッチ棒です。家の壁に赤リンを塗っておき、そこに頭を擦り付けて火をつけます。早くアレしないとあわや焼身自殺の命懸けであります。
対するはらぺこあおむしですが、こちらは常識的な手法で火を手に入れています。都市ガスです。はらぺこあおむしが住んでいる側には都市ガスが引いてあり、ワチャワチャしなくてもコンロのアレに体当たりして押すだけで火がつきます。
ニャッキたちは体がマッチ棒に酷似しているため、ガスを引いたりなんだりするという発想がありませんでした。頭部での点火を続けたニャッキはどんどんすり減り、ついには狼煙をあげることができなくなってしまいます。
狼煙をあげられなくなっただけで生きてはいますが、それははらぺこあおむしにとってはニャッキの死を意味しています。ある側面では死に、またある側面では生きるニャッキ。我々もニャッキと同じように死と共存して生きているのかもしれません。